第58回 白鷺青年部吟詠大会
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青年部大会報告
青年部 角谷晃弘(鷺声吟詠会)
・令和7年8月31日(日)に大阪市西成区民センターで第58回白鷺連合会青年部吟詠大会がありました。青年部員たちは開会の準備で大忙しです。
出吟舞台の設営で、プロジェクター設置や音響、舞台照明と不慣れのなか、皆の協力で無事に大会を行うことができました。
10名の友好青年部および先生方含む参加者105名の皆様には感謝申し上げます。


【飛び入り吟詠】のコーナーでは、参加者の中から希望者に壇上で吟をしていただきました。いずれの方も巧みに吟じられておりましたが、大取鷲照先生、中谷淞苑先生からワンポイントアドバイスをいただき、更に磨きがかかった吟を披露いただきました。青年部も学びを得て、吟に磨きをかけて行こうと存じます。
【交歓連吟】では、各会派の皆様から6組のペアで連吟、合吟をご披露いただきました。各先生方には、熱吟いただきましたこと感謝申し上げます。




【構成吟】では、青年部員が各々の「推し」の吟を披露しました。青年部個人個人の様々な思い入れが入ったものとなります。
- 菅原道真「九月十日」 吟者 角谷晃弘
全く詩吟を知らない私が初めて吟じたのがこの吟です。令和4年とコロナ禍で催しができない中、悲しい思いを吟じたのはいい思い出です。
- 張継「楓橋夜泊」 吟者 笠井航輔
時間に響く野鳥の声、肌に迫る冷気。そして広葉樹の間にちらつく漁火。この詩に幻想的な情景を思い浮かべて吟じました。
- 会津八一「おほてらの」 吟者 堂貴攝(欠席)
夜のしじまの物思いを詠んだ和歌を生かす、自然な譜付けがされているため、情感そのままに詠いやすい吟でした。
- 北原白秋「落葉松」 吟者 藤山澄玄
常に変化を続ける世界の中では、ひととこころにとどまることはできないが、見知らぬ場所へ行きつくことは、淋しい。それでも一個の私としてこそ違う存在に出会うことができる。以前、徳稲穂晃先生が吟じられた「落葉松」からその意味を見出し心にしみましたので、それを感じ取れるよう吟じました。
- 石川丈山「富士山」 吟者 甲山苑星(欠席)
仕事で海外を行き来するたびに、日本の象徴である富士山に誇りを感じます。東京から関吟の大会やイベントに向かう際、新幹線の車窓から見ることができます。その雄大で荘厳な姿は、まさに「天下第一」と詠われるにふさわしいものです。
- 佐久間象山「漫述」 吟者 石本恍武
私は手足が不自由です。その外見は取り繕うことはできません。そんな私が他人にどう思われようと、この世に私という人間が存在している生き様をお天道様は知っているという教えに共感しました。
- 室生犀星「小景異情」 吟者 藤原凜声
メロディが好きで、吟じました。詩文も情緒があり誰の心にも響く詩だと思います。今まで朗詠の機会に恵まれず、この先もこの詩を詠う機会がないかもしれないので、朗詠いたしました。
- 広瀬武夫「家兄に寄せて志を言う」 吟者 平岡娟譲
この詩を詠んだ広瀬武夫中佐は、日露戦争で活躍され、軍神と仰がれた人です。彼の日本への忠義の精神が如実に示されているこの詩に心打たれ、この場にて吟じました。
- 武市半平太「獄中の作」 吟者 田辺苑清
私と武市半平太との出会いは、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」でした。夫人の富子が、獄中の半平太のことを思い、夜は夫と同じように、みすぼらしく寝るようにしている。そのことを竜馬が聞き涙するという話です。半平太と同郷の坂本龍馬の気持ちになってこの詩を吟じました。
吉田松陰の辞世。まさに武士道を感じる詩です。幕末の武士の生き様に憧れます。戦いの吟を好んで舞をしていますが、今回は私の吟に舞を合わせて、辞世を表現してみました。
長い吟歴の中で、壁にぶつかったとき、活舌と発声を見直し、コツコツと稽古を積み重ねて克服してきました。先生から4年間猛特訓を受けて、吟詩権をとれた吟です。あの感動を忘れず吟じました。
- 松口月城「青葉の笛」 吟者 内座慶玲
チャリティイベントの構成吟で、この吟を担当しました。この吟に出会った当時、より理解を深めたいと思い、かつての戦場として知られる須磨浦公園を訪ねたこともあり、思い出深い吟であります。
- 愛敬四山「太田道灌」 吟者 森佳仁
この吟は、去年初めて財団の合吟コンクールで吟じたものです。成績は芳しくなかったですが、他流派の方々との合吟は難しくも楽しかった思い出の詩となっております。
- 太宰春台「稲叢懐古」 吟者 奥田澄尚
数年間1つの吟題に徹底して取り組んでいます。愛連の課題詩に合わせて長く練習した「春日山懐古」から去年、吟題を変更しましたが、吟じてみると不思議と自分と相性がいい吟と感じました。
- 伊藤博文「某楼に飲む」 吟者 甘中青仁
忙しくてなかなか稽古にも行けない中、先生に強く勧めていただき、この詩で競吟に出ています。また課題吟の中から、この詩が詠いやすかったので、この度の披露となります。
- 大江千里「月見れば」 吟者 新山美帆
この和歌は、小倉百人一首の23番目。私の名字「新山」は「にいさん」とも読めることから、縁を感じました。また作者の大江千里の「ちさと」は「千里(せんり)」と書きますが、私も千里に住んでおり、秋に生まれたことと、更にこれは秋の詩であり、いろいろな繋がりや親近感を感じながら吟じました。
小学生の頃に、初めて人の前に立って吟じた詩で、大会の前日までにばっちり覚えてきたのに、本番では詩の一部が飛んでしまいました。苦い思い出がありますが、それゆえに好きになった詩なので改めて吟じました。
- 西道仙「城山」 吟者 水野庫龍
詩吟を始めてから1年足らずで競吟大会にむけて、義父の特訓を受けて吟じたものです。声が大きいだけが取り柄の自分にとっては、チャレンジしてみたい吟でした。以降は吟じることはなかったですが、好きな吟なのでこの機に吟じてみました。
就職してから大学の夜間部に通っていたころ、高校時代の同級生に吟詠部に誘われ、詩吟を始めました。その後、東京の明治大学との交流大会に出た際、新入生が決まって合吟する詩「壁に題す」で出吟し、思い入れがあり忘れられない吟となっております。
- 藤澤黄坡「関西大学詩吟部部詩」 吟者 和田彩仁
関西大学詩吟部で最初に習う吟であり、最も吟じる詩です。結句の最後に「美にして雄」という言葉があり、美しさと雄々しさとを同時に実現するのが理想の境地としています。藤澤黄坡先生の詩であり、31番の節が残っているのも聞きどころとなっておりました。
私の初めて習った吟は、川中島です。自分自身こんな長きにわたり続けられるとは思ってはいませんでしたが、川中島が中でも思い出が詰まっているので吟じてみました。
・上杉謙信「九月十三夜」 吟者 安田行軌
詩吟を全く知らないなか、初めて練習に行ったときに、先生からいきなり挑戦の吟題 がこの詩でした。半年練習しただけで舞台では吟じませんでしたが、30年の時を経て「九月十三夜」を舞台で吟じてみようと思いました。
・杜牧「江南春望」 吟者 日樫苑紅
15歳の時に家族と一緒に中谷淞苑先生のもとで詩吟を始めました。最初に教えていただいたこの詩は、江南地方の春景色が美しく詠まれ、私の心に残りました。
・朱熹「偶成」 合吟
最後に一同、青年部の吟の熟成に願いを込めて、朱熹の「偶成」を合吟しました。
「少年老い易く…」ならぬ「青年老い易く吟成り難し」という、時間が過ぎ去るのは早いのに吟の熟成は時間がかかるという葛藤を胸に抱きながらも青年部はこれからも精進していきます。
以上